日本語のモノの数え方って難しいなって思ったことない?
今回は少しややこしいけど、見方を変えるとすこーしだけ
面白くなるかもって話をするよ!
数え方いろいろありすぎる問題
わたしたちが生活していく中で、モノを数えることは毎日欠かせないことです。
飲食店で注文をするとき、日付や時間を伝えるとき。
日本語にはこの数の後ろにつける「助数詞」がほんとに多い…
そもそもこの「助数詞」を使う国は日本を含めて数カ国しかないらしい。
「いっそのこと5種類ぐらいにまとめちゃえばいいじゃん!」なんて思うよね。
でも、助数詞は読んで字のごとく数詞(1つ、2番目など数や順序を表す言葉)を助ける役割があります。
この場合の助けるとは、より詳しく伝える役割があるということです。
助数詞には文字や言葉だけでそのモノをより詳細に伝える機能があります。
この機能を理解することで、相手に簡単に伝わるようになります。
「数取団」が数え方の面白さを教えてくれた
はてさて、その昔(2002年頃)フジテレビの「めちゃ²イケてるッ!」という番組の中で、
あるゲームコーナーがありました。
- 出演者がリズムに合わせてお題(名詞や固有名詞)を出す
- 次の人はお題に適した数え方で回答する(例.お題:カモメ→1羽)
- 回答した人は新たにお題を出し、次の人は数字を増やして回答をする、、、これの繰り返し
ルールは簡単だけど結構難しい…
テレビ番組なので、正式な数え方をしない特殊なパターンもあったけど
当時のわたしは子供ながらに数え方っていろいろあることを学びました。
もう少し詳しく知りたい方は「数取団」で調べてみてください。(参考:ピクシブ百科事典)
助数詞について本気で勉強したことがなくても、このゲームを楽しむことができた。
なぜなら、それまでの生活の中で感覚的に助数詞を理解しているからです。
では、具体的にわたしたちはどのように助数詞を理解して使用しているのでしょうか?
形や大きさ・状態によって数え方は変わる
モノの数え方で一番わかりやすいのは、形や大きさ・状態(まとまり)による
ちがいです。
わかりやすいところで「紙」や「ペン」
紙は形が【薄い】ペンは【細長い】モノ。
このように、形によって数え方を分類し
それぞれを【枚】【本】と数えます。
しかし、この【枚】や【本】は状態が変わることで数え方も変わります。
紙が複数枚まとまったものを【冊】ペンが複数本まとまったものを【束】などと呼びます。
本(助数詞と混同しますがbookのことです)は紙が何枚も合わさってできているので
1冊、2冊…となります。
みなさんは当たり前のように使い分けていますが、感覚とこれまでの経験で
これを理解しているはずです。
小さい子どもに数え方を教えるときにはこういった説明をしたことが
あるんじゃないでしょうか。
つまり、形や状態を理解していなければ正しい数え方ができません。
逆に、正しくモノを数えている人は モノの本質を理解 していると言えます。
形 + 専門性で数え方を変える
数え方を難しくしている原因の一つに【専門性】があります。
この場合の専門性とは
そのモノをより細かく分類することです。
例として「船」について考えてみましょう。
船には様々な数え方があります。
【台】【隻】【艘】【艇】など…
正直、数えるだけなら【台】を使えば間違いはないです。
(台は大抵の乗り物に使えるので便利ですね)
しかし、船について詳しい人は数え方に変化をつけます。
ボートなどの小さい船には【艇(てい)】
軍艦や客船のような大きな船には【隻(せき)】や【艘(そう)】
先に説明した通り、数を正しく数える人はモノの本質を理解している人です。
人を乗せて水の上を進む乗り物という点では
どれも同じですが、使う場面や用途が違いますね。
厳密には船の大きさによって使い分けるのですが、大きさの捉え方は個人差が大きいです。
あえて船を【台】と呼ばない人はそれなりの船の知識を持っていると言えるでしょう。
どんな船も同じモノと認識せず別モノとして理解しているからこそ
異なった数え方ができるのです。
状態 + 専門性で数え方を変える
もうひとつ専門性で数え方が変わる例を紹介します。
「イカ」や「カニ」を数えるときの【杯(はい)】です。
イカやカニは生きている(海を泳いでいる)状態では【匹】
と言われることが多いです。
しかし、これが魚屋などの店に食材として並ぶ場合【杯】が使われます。
これはモノの状態に専門性を付与した数え方です。
海を泳ぐ「生きた状態」と、食材として「命がなくなった状態」を
分けているということです。
(【杯】を使う理由は字のごとく器のように見えるかららしいです。)
以下のような会話があるとします。
この前カニが1匹500円で売っていたよ!
この場合、カニが魚屋で500円で売っていたのか
それとも海洋類のペットショップで生きたカニが売っていたのかハッキリしません。
(カニを飼う人はめずらしいかもしれませんが…)
ここで【杯】を使うことで魚屋やスーパーでカニが売っているのを見たんだなと
悩まずに理解することができます。
この前カニが1杯500円で売ってたからつい買っちゃったよ!
このように数え方に状態の専門性を付け加えることで場面の想像ができて
会話の理解をスムーズに行うことができます。
まとめ【数え方は言葉の追加情報である】
今回の内容をまとめると。
数を数えるだけなら、【個】【つ】【匹】【台】などの数種類があれば生活に支障がでることは
ほぼ無いでしょう。
それでも、あえてちがう言葉を使う人には理由があります。
- 相手に情報を正確に伝えたい
- そのモノについての知識が深い
- 言葉や会話を真剣に考えている
きっとこんな人たちなんじゃないかとわたしは勝手に思っています。
日本語には本当に沢山の助数詞があります。すべてを使いこなすことはおそらく無理でしょう。
たとえ、自分で使いこなすことができなくても会話の中で相手が少し凝った助数詞を使っていたら
そのときは、その人の言葉選びや専門性について興味を持ってみるのはアリじゃないでしょうか?
これにて、本日の講義はおひらきですっ!!
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