漢字・ひらがな・カタカナどれ使う??

コトバ

日本語を学ぶ外国人へのインタビューで、
日本語には漢字・ひらがな・カタカナの使い分けがあり
(細かく言えば数字やローマ字も)
覚えるのが難しいと回答してる人をよく見ます。

 

漢字にはそれだけで意味があるけど、
ひらがな・カタカナにはそれだけに意味は無いと
何気なく使ってますよね?

でも、ちがうんです!!

 

実際は漢字・ひらがな・カタカナの使い方で
相手にあたえる印象が変わってきます。

日本語を常日頃から使っているわたしたちは
無意識にそれらを使い分けているんです。

 

そこで、今回はそれぞれの文字の印象を考えてみようと思います。

 

 

それぞれの文字のイメージ

 

さっそくですが、漢字・ひらがな・カタカナの持つイメージを考えていきましょう!

漢字のイメージ

 

まずは、下の例文を見てみましょう。

お早う御座います。
本日は誠に有難う御座いました。
今後とも宜しくお願い致します。

 

どうでしょうか?

感覚的な話ですが「お堅い」感じじゃないですか?
内容による部分もありますが、
かしこまったビジネス文だとこの一文だけでわかりますね。

図形で例えるなら□(四角)。色で例えるならモノクロ
漢字が並んだ文は白黒の四角いブロックが綺麗に整頓しているイメージです。

 

【堅い】【四角】【モノクロ】
この特性が活きるのはやっぱりビジネスです。

 

相手に自分の色や特徴を主張せずに内容だけを
正確に伝えるために使うのが漢字です。

 

漢字の使い所

先ほど言ったように漢字はビジネスに向いています。

 

ビジネスの場面では自分の感情よりも
事実を伝えることを優先することが多いです。

 
漢字には「それだけで意味がある」と最初にも言いましたが
物事を正確に伝える能力に長けていて
情報をより多く詰め込んだ文章に適しています。

 

つづいて、ひらがなを見てみましょう。

 

ひらがなのイメージ

おはようございます。
先日はありがとうございました。
これからも、よろしくおねがいします。

 

例文は漢字のときに近いビジネスメールの
テンプレートのようなものにしました。


内容は漢字とほぼ同じですが、
あなたはこの文にどういうイメージを持ちますか?

「幼稚」という印象を持つ方もいるかもしれませんが、
その通りなんです!!

 

ひらがなを使うことで幼稚さが出ます。
しかし、幼稚さは言い換えると「やさしい」「柔らかい」
というイメージに変換できます。

一行目の「おはようございます」だけを見ても、
どこか温かい心遣いが感じられませんか?

 

図で例えるなら◯(丸)。色で例えるなら暖色です。
オレンジの丸が並んでいるイメージです。

 

【幼稚】【丸】【暖色】

 
この特徴が活きるのは友人や親しい間柄への文章です。
相手に心を開いた印象をあたえるのがひらがなです。

 

ひらがなの使い所

イメージが丸いと言ったように、
角がない文章を書きたいときに向いています。

 

親しい友人に対して「お早う」を使う人は少ないと思います。


漢字と違い、それだけで意味を持たないひらがなを使うことは
 
つまり
 
相手が自分のことをある程度知っているから、
詳細に伝える必要がないということです。

 

もちろん、ひらがなだけの文では「幼稚さ」がつきものです。
しかし、幼稚さを許してくれる相手には
温かくより親しみのこもった文章になります。

 

小さなこどもが書いたひらがなだけの文章を読んだとき
どこか温かくほっこりした気持ちになるように。

 

そして、ビジネスにおいても角の無いひらがなを多く使用することで
相手への信頼感を得られる場面もあります。

カタカナのイメージ

 

オハヨーゴザイマス!
…以下略。(笑)

 

最後にカタカナです。

すみません。例文がふざけてますね…

 

正直なところ、カタカナだけで文章を書くことはゼロに等しいと思います。
カタカナは主に外来語に使います。
つまり、特定の言葉に対して相手への理解を
スムーズにするために使用します。

 

漢字・ひらがな同様にあえて例えるなら
☆(星)であり、トランプのジョーカーです。

 

【星】【ジョーカー】
つまり、ここぞという場面の最後の切り札としての役割がカタカナにはあります。

 

カタカナの使い所

ジョーカーとしての役割を持つカタカナを使うと
漢字やひらがなにはできないゴリゴリのパワープレーができます。

 

例えば
国名を伝えるときに【Française】や【Монгол Улс】のようにその国の言語で
書くと伝わりづらいですよね?

 

これをカタカナで表記することでカタカナさえ読めれば
誰でも声に出すことができます。
(ちなみに正解は【フランス】と【モンゴル】でした。)

 

他にも聞き馴染みのない英単語をカタカナにすることで
より身近に音声として認識することができる例として
「ダイバーシティ」という言葉。

 

今でこそ浸透した言葉ですが、
最初に聞いたとき私はなんのこっちゃわかりませんでした。
意味は「多様性」です。
多様性と書いた方が意味もわかるし馴染みがあると思いますよね?

 

でも、ダイバーシティという言葉を知った今では
多様性よりも親近感が湧く気がしませんか?

 

このように、カタカナにはそれまで
理解できなかった(理解しづらかった)ことを
要約して砕いた表現にする力があります。

これがパワープレーです。

 

<余談>
私は友人にカタカナだけで「チョットナニイッテルカワカラナイ」
的なことをよく使います。これは


「外国語を日本語に翻訳→翻訳した日本語を外国語にもう一度翻訳」して


言葉がおかしくなるような仕組みだと思っています。
これを「言葉の逆輸入」といま名付けました。
(最近の翻訳機能は優秀なので元通りになりますが…)

まとめ

 

<漢字>
【堅い】【四角】【モノクロ】
意味を最優先に伝えるビジネスの場面に適している。

 

<ひらがな>
【幼稚(やさしい)】【丸】【暖色】
相手に温かい印象をあたえ、親しみのこもった文章に適している。

 

<カタカナ>
【星】【ジョーカー】
外来語に使用。理解しづらい言葉を音としてスムーズにより身近に捉えたいときに適している。

今回は、それぞれを比較するために
あえて偏った文章を例に出しました。


実際は漢字・ひらがな・カタカナをバランスよく使用することで
相手に情報や感情をつたえる文章を作る必要があります。

 

ただ、言葉の持つイメージを理解することで
自分が相手に対してなにを重要視して伝えたいのか。
どう感じてほしいのかを考えた文章が書けるようになります。

 

全く同じ文章を漢字・ひらがな・カタカナだけで
それぞれ書いたときに相手にあたえる印象が違うのは明白です。
 
こんな芸当ができるのはおそらく日本語だけだと私は思っています。

言葉の意味ではなく文字の意味を考えて書いた文章はきっと
より深く相手を想った文章になるはずです。

 

以上、ありがとうございました。

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